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症例紹介

頚椎症例に対するMT-MPS ~斜角筋へのアプローチが奏功した症例~ 

和辻慎吾
2023.08.24 UPDATE

頚椎症例に対するMT-MPS ~斜角筋へのアプローチが奏功した症例~

Keyword :頸部伸展制限、後枝由来の強固な肩甲間部痛、手のしびれ     

(症例紹介) 71歳、男性、 R4.10.24 頚椎症の疑いにて来院。

 主訴・・・水を飲む際に後頸部から左肩甲間部に痛みと左C6エリアに痺れ有り

 検査・・・施術初日は伸展制限(+)、ジャクソンテスト(+)、C5.6深部腱反射(±・+)、左C6エリアの感覚鈍麻、shoulder abduction relief test(+) 、MMTは問題無し

1 回目治療)10/24 腹臥位 15 分。

脊柱起立筋を主体に施術。施術の前後の頸椎伸展角度➡20度から30度わずかに広がる

 (実習ガイドブックp17①②③⑤⑥⑦)

2 回目治療)10/25 腹臥位 15 分、背臥位で10分。 伸展動作動画有り。

前日と同じ施術と斜角筋の施術腕神経叢のストレッチング(圧迫)を行う

3回目~5回目治療)10/26 ~28日

 斜角筋を主体に施術、ストレッチポールで円背姿勢改善、頚椎牽引手技で神経圧迫改善。

※坂道で息が上がる(肋骨挙上作用)と斜角筋付近が痛いと訴えた。

 6回目~8回目治療)11/5.7.8日

1週間ぶりに来院され伸展制限(+)。11/5.8日伸展動作動画有り。

3日間の施術で徐々に伸展制限も軽減し、痺れもC5エリアに限局されてきた。

年明けに伸展制限や痺れが消失し、11/13から信州旅行も楽しめたと後に報告を受けた。

(結果考察)

  1. 後・側頸部の施術に抵抗するケースに斜角筋へのアプローチは有用と考える。
  2. 神経根エリアよりも上・中神経幹エリアへのアプローチ可能と推察する。(図.1)

斜角筋間隙に腕神経叢がエントラップメントなどに功を奏するのではと推測される。

  1. 頚椎症の方は円背姿勢・頭部前方位が多いので、姿勢指導や筋力強化も必要。(参考 ヤンダ先生の筋分類⇒斜角筋は拘縮かつ弱化しやすい)
  2. Red flagや上肢神経脱落所見が否定出来れば、MT-MPSで施術可能である。

 

和辻慎吾(watsuzishingo)

和辻整骨院院長 柔道整復師

https://watsuji-corp.jp