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症例紹介

肺癌胸腔鏡手術侵入創の残存痛に対しMT-MPSが功を奏した1症例

田中信行
2024.02.14 UPDATE

著者: 田中信行

keyword : 肺癌胸腔鏡手術、前鋸筋
(症例紹介)
・68 歳男性、身長 162cm、体重 58kg、基礎代謝量 1256.8kcal ・平成 29 年 10 月 左肺癌ステージ III 胸腔鏡手術にて左下葉切除手術

(主症状)

主訴「左脇から手まで痛い。息切れする」

(評価)

1疼痛評価 左前鋸筋NRS8
2 左翼状肩甲軽度
3ROM-T 左肩自動運動各方向に疼痛の為運動制限あり、他動運動屈曲時前鋸筋に短縮痛あるもほほ正常 4MMT 左肩各方向2レベル・体幹伸展3レベル
5身体活指数 (Physical activity level 以下PAL)1.47
6 肺活量 (下:VC)2.4L(74%VC)

(治療)

1 MT-MPS左前鋸筋中心の腋窩~上腕~前腕~手指 ・脊柱筋中心で僧帽筋や菱形筋などの背部筋 2 体幹トレーニングや呼吸トレーニング

(結果考察)

患者は「脇の痛みは楽になった、腕も体も動かせられる」と言う。左前鋸筋NRS2 、86%VC、PAL1.72な どに所見の数値はすべて改善。 左上肢の機能障害を左前鋸筋の筋連結から捉え、また呼吸困難も左肺下葉切除の問題だけでなく、吸気運動 に関わる左前鋸筋や体幹筋群の筋活動不足と捉えた。このことから左前鋸筋や体幹筋群のMT- MPS が有効 であると考え施術した。その結果、左前鋸筋 NRS8→2 と改善し左上肢を自由に動かせるようになり、体幹筋 群もMMT3→4と活発になり吸気胸郭運動が拡大し 86%VC や PAL1.72 になった。

MT-MPS の有効性はあったと思う。

(参考)

田中信行(tanakanobuyuki)

田中整骨院 院長