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症例紹介

ドケルバン病、腱鞘炎に対するMT-MPS

浦田 直樹
2023.07.26 UPDATE

著者 浦田

keyword ドケルバン病 腱鞘炎

(症例紹介)  20代 女性

(主症状、評価) 結髪動作、子供の抱き上げ動作時の右手関節橈側部痛。

アイヒホッフTest(+)

右橈骨茎状突起部の圧痛、腫脹、熱感(+)

右手関節尺屈0°運動痛(+)

母指IPjo屈曲20°運動痛(+)

右母指外転、橈側外転時、弾発現象(+)

右母指球部腫脹(+)

(治療)初診より3週間は週2~3回の通院。

初診時、局所圧痛著明の為、触らず。

初診時

(実習ガイドブック小林紘二著P195~196①②③⑤⑥+ P197~200①④+P201~202②③④⑤+肩関節外転位にて長母指外転筋、短母指伸筋の筋腹部)

治療2回目

(実習ガイドブック小林紘二著P191③④⑤⑥+ 長母指外転筋、短母指伸筋の筋腹部)

治療3回目
(実習ガイドブック小林紘二著P191③④⑤⑥+ P203~204、母指外転筋、短母指屈筋、母指内転筋)

以降、1週間程でリスター結節周囲の局所圧痛(↓)を確認してから、手関節近位の長母外転筋、短母指伸筋腱走行部も治療開始。

上記治療ライン+前腕筋群ストレッチを併用。

(結果考察)初診治療後よりVAS評価10→5

尺屈20°、結髪動作が動作時痛伴うものの可能になる。

治療3回目よりVAS5→3

尺屈30°、母指橈側外転60°

治療6回目よりVAS3→1

尺屈40°、母指橈側外転60°

運動痛徐々に減少するものの、抱っこなどの荷重負荷の完全免荷は不可の為、軽度運動痛残存するもADL上、支障が無い状態になる。

本症例では、一般的にドケルバン病の主要関与筋である長母指外転筋、短母指伸筋だけでなく、母指外転筋、短母指屈筋、母指内転筋の関与が見られた。

症例が第一子目で抱っこ動作などに不慣れな為、子供の頭部保持及び抱き上げ動作時に手関節の橈背屈の代償にて把持動作での過剰負荷による手内筋の血流障害が生じたと考える。

このような症例には前腕筋群だけでなく、手内筋へのMT-MPS施行が症状改善に繋がると考えられる。

 

浦田 直樹(uratanaoki)

小林整骨院院長 柔道整復師  鍼灸師

https://kobayashi-mt-mps.com